筋肉の地味な役目

人間の身体には大小約600以上の筋肉があります。

 

筋肉は随意筋と不随意筋の2種類あります。

 

①随意筋

自分の意志で曲げたり伸ばしすることができる筋肉のことを随意筋といいます。人間の筋肉の約半分は随意筋です。

 

②不随意筋

自分の意志に関係なく動いている筋肉を不随意筋といいます。胃や腸などの内臓を構成している筋肉のことをいいます。

 

また、筋肉は身体にとってさまざまな重要な役割があります。主な役目は以下の通りです。

 

(1)身体を動かす役目

筋肉が伸びたり縮んだりすることで、歩いたり、走ったりと身体を動かすことができます。

 

(2)内臓を動かす役目

筋肉が伸びたり縮んだりすることで内臓も動きます。心臓の鼓動、息を吸う動作、胃や腸の動きにも筋肉は関係しています。

 

(3)身体が重力に負けない役目

筋肉が緊張し続けることで重力に逆らって姿勢を維持しています。立っていたり座っていたりの姿勢は筋肉の緊張が関係しています。

 

(4)熱を作る役目

筋肉は動くことで熱を作っています。身体全体の熱の約6割が筋肉で作られています。

 

(5)衝撃を吸収する役目

外から来る衝撃から内臓や関節や骨を守ってくれています。

 

腰痛との関係においては、「(5)の衝撃を吸収する役目」が重要な要素のひとつです。

 

筋肉には衝撃を吸収する、または、衝撃を受け止めるという地味ですが大変重要な役目があります。

 

腰の骨は、腰椎と仙骨と骨盤があり、腰椎と腰椎の間には椎間板、骨と骨との間はそれぞれ関節を構成しています。

 

その周りにはたくさんの筋肉が腰と腰の間の関節を取り囲むように付いています。

 

これらの筋肉は、身体を動かしたり、身体が重力に負けないような役目もありますが、外からの衝撃、例えば歩いたり走ったりしたときの地面からくる下半身の衝撃、重たい荷物を持ち上げたときの上半身からの衝撃から腰を守っています。

 

上からの衝撃と下からの衝撃から、腰の骨、軟骨、関節、椎間板をバネのように伸び縮みしながら衝撃が加わらないように働いています。地味ですが大切な役割です。

 

ですが、

 

筋肉が硬くなってしまったら、バネのような衝撃を吸収する役目を果たすことが出来ないので、直に腰の骨、軟骨、関節、椎間板に衝撃が加わってしまいます。

 

この衝撃がやがては腰の骨、軟骨、関節、椎間板の変形を起こしてしまいます。

 

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の病気では、筋肉の硬さを緩めることがとても大事になってきます。

 

椎間板ヘルニアでお困りの方では、腰まわりの筋肉の硬さを緩めることができると、とくに椎間板の変形が止められることが可能になってきます。

 

脊柱管狭窄症でお困りの方では、腰まわりの筋肉の硬さを緩めることができると、とくに腰の骨の変形が止められることが可能になってきます。

 

 筋肉の不足で腰を支えられないから腰が悪くなってしまうと思われている方も少なからずいるかと思いますが、ほとんどの方は腰の筋肉については問題ない程度のボリュームがあります。

 

問題は筋肉が不足しているはけではなく、筋肉が疲労してしまって、硬くなってしまうことで、衝撃が加わらないように働かなくなってしまうことです。

 

椎間板ヘルニアでお困りの方も、脊柱管狭窄症でお困りの方も、腰の筋肉を柔軟にしておくことは改善への近道となります。

※注意: 本記事は情報提供の目的であり、医療アドバイスの代わりにはなりません。健康上の問題を抱えている場合は、医師と相談してください。

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